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赤平の宇宙実験教室をのぞく

 今日は札幌市立図書館に出かけた。来週の月曜日に東京に戻るので借りていた本を返してきたのである。
 暑いせいだか食欲が落ちている。無性にカレーライスが食べたくなったので、夕食にカツカレーを食べた。なかなか美味しい。
 暑いせいで食品がすぐにだめになる。ペットボトルのお茶が一日で味が変わっていて飲めなくなっていた。食中毒には注意したい。


 昨日は赤平で行われた、小中学生を対象にした宇宙実験教室のお手伝いをしていた。実際はたいしたことはしないでふらふらと私も見学していただけだが。なかなか面白かった。
 実験教室には大体80人弱くらいの小中学生と、同じくらいの保護者の方で合計150人くらいいらした。内容は、1.モデルロケットを作ってみる 2.無重力実験の話を聴いて落下塔のデモ落下を見てみる 3.北海道の宇宙開発の話 の3つを主な柱としてそれぞれ1時間。全部終わった後で組み立てたモデルロケットを実際に打ち上げてみて、最後にCAMUIロケットのロケットエンジンの燃焼実験を目の前でデモンストレーションというなかなか贅沢なプログラムである。
 私は無重力実験のショートレクチャーのときに講義資料を配布する係りを仰せつかったので配っていたが、おおむね茫漠と話を聴いていた。落下塔はどう考えてもロケットよりも地味であるが、そうはいってもなかなか大きな実験用カプセルがクレーンで塔の上に持ち上げられていく様子や、あるいは落下させてドーンと落ちる様子はなかなかに好評であった。あれをぱっとみてなにがなんだか分かるはずはないのだが(といっては悪いがそうとしか思えん)、「よく分からんが、なんかすげーな」と思ってもらえたのならばそれだけでも良かったのではないかと私は思った。
 落下塔のブレーキ性能の説明として生卵を入れて落として「50mから落としても卵が割れないブレーキ性能」をアピールしたが、落下塔の使いかたとしては贅沢極まりない。生卵ごときをペイロードにつんでいい装置ではないのだが。かといって重力センサーを積んでもたしかに面白くはないか。

 午前中は雨がぱらついていて、昼食の前は結構派手にふってきたので、こりゃーやばいなと俺が心配したが、昼があけてみると雨がやんで、モデルロケットを打ち上げる頃には快晴になっていた。奇跡的である。おかげで参加者のテンションもあがって、モデルロケットの打ち上げは大盛況であった。話によると100mくらいまであがるとのことだが、正直私は今までモデルロケットはやったことがなかったので、俺がやりたかったと見ていて心から思った。はじめてみたが、文句なしにあれは面白い。ついでに、どこまで改造していいのか知らんが、やり方によってはなにか面白いことができるグッズじゃないかというようなことは思った。ロケットモーターの部分以外は適当にいじっても良くはないのかなあれは。正規料金を払うので今度俺にやらせてほしい。

 最後にCAMUIロケットのエンジンの燃焼試験を結構間近で見学する。消音機をつけずに実物をゴーっと燃やす。…いや、あの音は文字では形容不可能である(多分マイクでも録音できないしスピーカーでも再生できない音だろう)。というか、良くこんなの見せられるなと感心する。あれは実際に見てみないと雰囲気が分からない。ド迫力である。
 見ている参加者の大部分は、「おお、なんかすげーな」という風に見ていたのだろうが、俺としては「いや、これ、ほんとすごいんだって! 価値を分かってねえだろ、お前ら」といいたいような気分である。ロケットモーターの実物の燃焼試験なんてそうそう見れるもんじゃないんだから、と。
 見ていて思ったが「無駄に豪華」としか言いようのない豪華なプログラムであった。

 今日になって、主催の北海道新聞が記事にしている。紙版では見逃したがウェブに記事が載っている。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/42853.html

…どっからどう見てもモデルロケットとCAMUIエンジンの燃焼試験の方が人気が高くって、我が落下塔はロケットに食われっぱなしだったのだが。

 行く前は夜中に強烈な頭痛と吐き気に襲われて、ひょっとすると数日動けないんじゃないかと覚悟していただけに、なんとか動けるようになって参加できてよかった。
 今作っている国際宇宙ステーションは、完成後にろくな実験が行われなかったのならば「宇宙のゴミ」として歴史的な批判を浴びるに違いがないのである。ステーションを宇宙のゴミにしないために、宇宙実験にかかわっている人間は価値ある研究をやらなくてはならないのである。落下塔はステーションを宇宙のゴミから人類の宝石にするための切り札だと心得る。それをリアリティをもって真剣に考える必要があるだろうと、思ってはいるが、まだイメージがわかない。もっと勉強をするべきだろうか。

 実験教室が終わって帰る。落下塔実験のチームは、地味だが黙々と実験を行っていた。ついでに、私が帰る頃になってCAMUIロケットの実験チームがやってきた。「あれ? 何でこんなところにいるの?」と聴くと明日から燃焼実験をやるんだという返事だった。…世界は動いている。さて、俺はどうする? んなことを思った。

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