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読書:日本の食事の本(たこやき本を読む)

亡食の時代 亡食の時代
産経新聞「食」取材班 (2007/02)
産経新聞出版

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 私が知る中で最強の読書家であるたこやきさんが紹介していたので上記の本を読んでみた。なんというか、せっかくだからたこやきさんが紹介した本を時々読んでみようかという風なことを現在考えてはいるのだけど、今後続けるかは不明。

 それで、そもそもなぜこの本なのかということだけれども、それは私の読書の趣味によります。最近の私はあまり小説を読もうという気にならないので(少しは読むが)、ノンフィクションを中心に本を読んでいます。その中でも、学校の図書館が買っていたりあるいは値段がそれほど高くはない新書とかあるいは文庫とかを読むことが多いのですが、今回紹介した本もたこやきさんの趣味である小説中心の紹介の中で珍しくノンフィクションの新書だったので「これなら読めそうだ」と思って買ってきました。紹介文をよむとあまり良い本ではないようだが、産経新聞の特集の書籍化ならば多分読めるだろうと思って買ってきました。それと私は「読書が趣味」だといえる程度には本を読んでいるつもりだけどそれはB級な駄作も読むということだ。なのであんまりあたりではないだろうことは承知で読んでみました。

 それで、この本の感想ですが、なるほど突込みどころが多い。読んでいると2ページに一回は「おいおい、それは違うんじゃないのか?」と思えるような主張が連発して出てくる本である。
 テーマとしては「日本の食事が貧困になっている」ということだが、この本を読むととにかくレトルト食品や惣菜を買ってくることが「悪」だとしてひたすら描かれる。…そんなに目の敵にしなくてもいいじゃないか。
 食が貧困になったことの例として「カレーを作るときに素を使う」とか「味噌汁のだしに化学調味料を使う」ことなどが否定的に挙げられていて、読んでいて思わず「おいおい、カレーを作るときはスパイスの調合からやらないといけないのか?」とか「だしの素で味噌汁作っても別にいいじゃねえか!」とか、突っ込みながら私は読んでいた。

 朝食を自宅で作らない家が増えた、ということも食の貧困の具体例として出てきたが、考えてみるとそんな朝起きて30分くらいかけて朝食なんていちいち作っていられないですよ。私だって今札幌で一人暮らししていてせいぜい菓子パンをかじっているのが朝食のありかただし、また西多摩の家に居たときも時々外食をしていたが、それは親が料理作るのが面倒だったからだ(俺も作れとはいえなかったので外に食いに言った)。
 この本ではこんな風に菓子パンを食べることや外食をすることも基本的に「悪」だとして書かれている。どうやら基本的に「母親が時間と労力をかけて料理を手作りしないといけないという」価値観を元にしているらしいと読んでいて思った(とにかく家庭で料理を作れという主張で書かれているが、父親に作れという意見はまったく出てこなかったので、多分母親に作れといいたいのだろう)。

 そんなようなわけで、前半は「なんか、違うんじゃないのか?」と思えるような話が多く、また後半に出てくる食品添加物を多用する問題や食品の産地偽装の話は違和感はあまり感じなかったが、「これ、どこかで聴いたような話だな」と感じた。初めて聴いたというオリジナリティのある話が出てこなかった。

 読み終わっての感想は、「産経新聞の特集記事というのは、この程度のレベルなのか? というか、記者のレベルが低いんじゃないのか?」というものだった。大新聞が大型連載するんならもうちょっと新規性がある切り口で切って見せてくれというような気分。
 だが、この「扶桑社新書」の創刊ラインナップを見ていると、この本は比較的「硬派」な部類である(他のラインナップが軽薄すぎるんだ)。新書をひとつ作るのならば、この本のレベルを最低ラインとするようなラインナップで刊行して欲しい。

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コメント一覧

やはり…

これは、ちょっと…という感じになりますよね(苦笑)
記事の新規性もそうですけれども、もっと深い考察だとかも欲しいところですね。不必要に危機感を煽るような描写に裂く頁が多すぎますし。
まぁ、産経新聞の場合、保守的な価値観の記事が多い、という傾向はありますけど、レベルそのものは産経だけの問題とは思えないですね。他社の新聞でも、「おいおい…」と思う特集記事とか結構ありますし。

ちなみに、個人的には、小説2、ノンフィクション1、ライトノベル1、くらいのペースで読むのが理想だと思ってはいるんですが、図書館の予約ペースとかもあって、そこまではなかなか上手くいかないですね。

  • 2007/04/20
  • たこやき ◆ dGJqgw5k
  • [ URL ]
  • [ 編集 ]

たこやきさん
> これは、ちょっと…という感じになりますよね(苦笑)
 そう「なんか違うよなー?」という違和感を微妙に感じる本でした。

> 不必要に危機感を煽るような描写に裂く頁が多すぎますし。
 そうしないと記事にならないのかなとは思いますが、なんかストーリーを作るにせよもうちょっと他の切り口で見せて欲しかったです。

> 他社の新聞でも、「おいおい…」と思う特集記事とか結構ありますし。
 特集記事にするだけならともかく、わざわざ新書にして出すんだからもうちょっと中身があって欲しかったと思います。

> くらいのペースで読むのが理想
…なるほど、ちゃんと考えているのですね。私はすごく適当で気まぐれに読んでいるので、勉強になる意見です。

  • 2007/04/21
  • 中谷@管理人 ◆ -
  • [ URL ]
  • [ 編集 ]
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Yutaka ICHIMURA

Author:Yutaka ICHIMURA
 趣味はアニメ・漫画・ライトノベルなどポップカルチャー全般とモータースポーツ観戦、物理学・機械工学の勉強。
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