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「科学者」という物語の喪失

 本田透の文学論「なぜケータイ小説は売れるのか」を読んでいて考えさせられた。
「人生には意味は存在しない。ただその状態は耐えられないので人間は自分の人生に意味があるというストーリーをでっち上げて信じる。それが『物語』だ」という意味の部分が妙に面白かった。

 俺のこれまでを振り返ってみると、長期的なことはさっぱり考えないで生きていたが、高校のときに物理部・化学部に入ってからの中心線は「科学者になること」であった。今から考えるならば俺は間違いなく、人生の目標は科学者になることであり、そして科学者になれば人生はハッピーになるものだと信じて疑っていなかった。
 北海道大学にやってきたときも、うかつなことに俺はまだそんな妄想を本気で信じ込んでいた。
 俺が科学者という職業がそんなにハッピーなものでもなさそうだと思うようになり、そして幸か不幸か、俺は望んだとしても科学者という職業にはなれないということにも、札幌まで来てやっと気づいた。

 それなので俺はつい最近になってようやく「科学者になる」という高校のときから漠然と、それでも相当強くイメージしていた目標がただの幻だったということに気づいたわけである。
「物語の喪失」という部分で言うとしたならば、今の俺は長期的な人生の目標をどこに設置すればいいのかが分からないで困っている。ひょっとすると、俺が今現在に極端に憂鬱であることは、単に学校がうまくいかないことでも仕事が見つからないことでもなく、高校のときから妄想していた「科学者になる」という長期的な目標を失してしまってそれに代わるものを見出していないことが原因なのかもしれん。

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